第弐章

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セラフはモナの言葉を思い出していた。 『いいですかセラフ様。女の子には様々な悩み事を抱える生き物なのです。セラフ様の様に脳天気に生活していないのです。何か様子がおかしいと感じた人物が知り合いでしたら声を掛けてあげてください』 『分かった。悩み事を聞けばいいんだな?』 『そうです。セラフ様ではウザがられるか、歯牙にもかけられないでしょうが』 セラフはモナに無表情な顔で言われた言葉を思い出し、軽くヘコむ。そんな事になっているとは知らないレンは振り返らずセラフに言葉を返す。 「ありがとう。でも今はまだ言えない――言いたくないの。私に少しの勇気が湧くまで待ってくれないかな?」 「あ、ああ。無理に聞こうとはしないよ――しないけど……」 セラフは誰にも聞こえないくらいの小声で『気になる』と呟く。勿論、諦めたのはモナに『無理に聞き出すのはダメ』と言われていたからだ。 その後、軽く落ち込んだセラフと、少しだけ元気になったレンは自分達が拠点としている町『聖都ゼクレティア』へと戻っていく。
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