第弐章

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ギルドから出てすぐ近くにある公園に来たセラフとレンは、備え付けられているベンチに腰を下ろし公園の様子を眺める。公園にはすべり台や砂場、人一人分の大きさの円形の板に魔法陣が描かれたもので複数の少年、少女が仲良く遊んでいる。 公園内の平和で長閑な雰囲気の中、レンがセラフに請け負った依頼の事を訊ねる。レンは『手紙の配達』という事以外、詳しい依頼内容を把握していなかったからだ。 「で、どこに手紙を届けるの?」 「えっと――」 セラフは懐中に収めたマギアルテディスクを取り出し、依頼という項目を開く。そして請け負った依頼の隅に書かれた『詳細』という文字に触れる。 「――請け負った日時より二日以内に聖堂協会の『Ein Tempel von Confucius adelt〈聖堂騎士〉』に届けよ――だってさ」 「…………は?Ein Tempel von Confucius adeltって――冗談でしょ?」 レンはセラフから依頼内容を聞くや否や即座にマギアルテディスクを奪うと、自分の目で依頼内容を確かめる。そこにはやはり『聖堂協会のEin Tempel von Confucius adelt〈聖堂騎士〉』と書かれている。
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