第弐章

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「どんな報酬だったの?」 レンはセラフの手から紙を取り、その内容を目で追う。その中でレンの眸を釘付けにしたのはマネーではない。 「セラフ!!」 「えっ!?は、はい!!」 何故かレンの方を向いて直立不動になるセラフ。そんなレンに軽く恐怖を感じているセラフに表情を微笑みへと変えたレンが話し掛ける。 「私に金剛石をください!!」 「――え?そんな事?別にいいけど」 セラフはもっと厳しい事を言われると思っていたが『そんな事か』と拍子抜けする。そして自分が貰った報酬から金剛石と二千タポをレンに手渡す。 セラフから金剛石とタポの入った皮袋を受け取ると、レンは微妙な表情をする。 「何かさ……タポまで貰ったら私が恐喝したみたいじゃない?」 「きょうかつ?何かあまり良くない響きの言葉だな……そんなつもりはないぞ。ただ『お世話になったらお金を払ってください』って言われたからな」 セラフはレンにモナから聞いた話をそのまま伝えると、ディスプレーに表示された依頼を確認し始める。どこか納得がいかない表情のレンもセラフと同じ様にディスプレーに視線を向ける。
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