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ドンッ!!
「…いたっ!」
「はい!!返せばいいんでしょ!?」
ズイッと金貨をお貴族様の前に差し出す。
ユエは後ろから来た女主人に背中から体当たられ、尻餅を着いていた。
お貴族様がユエを気遣いながら優しく起き上がらせ、表情を崩さずにそのまま女主人を見た。
若干怖じ気づきながらも、手は下げずにお貴族様を睨み付ける女主人。
「私は別にお金を返して欲しかったわけではありませんよ?
どうぞしまってください?
このお嬢さんが働いたお金をあなたの懐へ入れることができるならば…」
お貴族様がユエを抱き寄せる。
「ふんっ。じゃあどうしてここへ来て「金貨を見せろ」といったんだい?」
お貴族様に媚を売らなくなった女主人は敬意も払わなくなり、鼻でせせら笑って、持っていた金貨を懐へ入れた。
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