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「あなたは孤児院が国から援助されていることはわかってますよね?」
「何をバカなことを。私がちゃんと管理してるんだから、そんなのわかってるわよ。」
女主人が鼻でせせら笑いながら、お貴族様を睨み付ける。
ほとんどあなたのお酒に消えていってるんですものね。
…だから、みんなが怪我した時のお薬も、風邪を引いたときの特効薬も買えないのよ。
お酒の金が足りなくなったら私に稼がせ、自分は至福に浸る。私はだから゙孤児院゙に帰りたくなかった。
「では、あなたはそのお金をお酒に使っているのですね。」
一瞬、時間が止まった。
国から援助されているお金をお酒に使ってるだなんてどうしてわかったのだろう?
リリーさんだってバレないようにごみ処理には出さずに自分の部屋に投げ捨ててあるはずなのに。
女主人は空気が固まったようにその場に立っていた。
「そ…そんなことがどうしてわかるんだい?冗談じゃない!私は子供たちのために色々と使っているのに。」
憤慨している台詞ととってかわって女主人は物凄く狼狽しているのが顔に出ていた。
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