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ボソリと独り言として呟いただけだったのに、いつの間にか人に聞かれていた。
振り向くと、いかにもお貴族様みたいな高級な服をまとって、長帽子でよく顔は見えないが上品な男の人が立っていた。近くに馬車が止めてある。
「え……?」
「おや?これはアチリーの花だね。貴女が売っているのですか?」
「あ…はい…。」
いきなり上級階級の人に話しかけられキョドるユエ。籠の中のアチリーの花を見てからユエを見る男の人。
「もしかして、この花が売れなくて、帰りたくないと言ったのかな?」
「…はい。」
ニコリと微笑む男の人。ユエは図星だったため、顔が赤くなる。
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