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「ソウルさん、入りますよ」 誰にもばれないよう、ちゃっかりと俺の仕事場の近くにある公園に作った地下室に綾を呼んだ。 部屋はいかにも普通で、入り口は不自然なようにマンホールの蓋でつくった。 「よいしょ……っと。まさかあの公園のマンホールの下にこんな場所があるなんて……」 マンホールの蓋を元に戻しながら綾がいう。 「誰にも見られていないか?特にフィリアに見られていないよな?」 フィリア……やつは危険だ。 過去に俺の隠し部屋を見つけて、死ぬ気で毎月コンビニで購入して貯めた男ロマンスを全部どこかに隠しやがった。 切り刻むならまだ復元が可能だったのに、隠されてはどうしようもない。 ――クソ……あの中にはレアものがあったのに……思い出しただけでムカムカするぜ……こいつらだけは何としても守らなければ。 俺の後ろにあるロマン達を対象に、思う。 「お姉さんから香水を借りましたから誰もついて来てはいません。念のため、周囲に注意もしましたから自信はあります」 丁寧に綾が言う。 「よし、よくやった……とりあえずお前の匂いを一時的に消すとしようか……」 「は、はい……」 綾の返事を聞いたあと、綾に歩み寄って魂に触れて『無臭』と命令する。 これでよしだ。
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