第三話  未来へ

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 そこからは、まだ店が見えない。  公園を出て道路を横断し、向かいの歩道へと渡る。そこから右に曲がり暫く真っ直ぐ歩くと、左手に古ぼけた軒先が見えてきた。 「おっ! あった、あった。しかし……こんなに公園から離れてたっけ?」  自分の記憶に首をかしげながら、田坂は足を進めた。  店の正面に立ち、改めてその外観を眺める。 「……すげー古いよな。築何年だろ」  文字が薄れていてほぼ読み取り不可能な看板。軒先から地面へと続く樋は、節々に穴が開いていてその機能を果たしていない。  一通り見て回り、そっと店内へと目を向けるも、そこは真っ暗で何も見えない。 「開いてないのか? もしかして」  ついてないや――そう思いながら、田坂はガラスの引き戸に手をかけた。  すると、建てつけよくスッとその戸は左へと動いた。 「……っわ!」  思わず声を漏らしながら、田坂はその店内へ一歩足を踏み入れた。 「ごめんください」  中へ入ると真っ暗ではなく、薄暗いといった感じだ。  恐る恐る声をかけるも、反応はない。 「すみません。どなたかいらっしゃいませんか?」  少し声を張り、店の奥目掛けて尋ねた。  すると 「……はいはい、居りますよ。少々お待ちを」 という、のんびりとした声が聞こえてきた。
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