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真一に聞かれ、奈緒は背中に回した腕に少しだけ力を込めた。
「ん……恥ずかしいんだけど……真一くんと、永遠に結ばれますように――って」
恥ずかしさで奈緒の体は熱くなる。
「永遠に……結ばれ――」
真一がそう繰り返し呟いた途端、その腕が物凄い力で奈緒の体を締め付け始めた。
「ちょっ……真い……うっ……苦し――」
奈緒の胸を真一の胸が圧迫し、呼吸が苦しくなる。
「永遠……結ば……」
途切れ途切れに呟く真一の声もまた、かなり苦しそうだ。
奈緒は何がなんだか訳が分からないままに、真一の腕から逃れようともがいた。
不意に真一の右腕が奈緒の体から離れ、左半身が楽になった。
「……ふう――」
奈緒は急いで大きく息を吸い込んだ――瞬間、左腕を真一に掴まれ捻り上げられた。
肩が外れるほどの勢いで左腕を引っ張られ、更に肘から先を外側へ曲げられようとしている。
「なっ……なんなの! 真一くんっ! やめて! やめてって……」
その腕を振り解こうと体を左に向けた時、信じられないものが見えた。
「え……君は……え? ちょっ……なに……いや……」
そこには、あの七色に光る綺麗なキャンディーをくれた男の子が立っていた。
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