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夏、暑い太陽の照り付ける中、今日も向かった。もう会えないかもしれない。何処にいったの?何処に行けば会えるの?
その頃から黒い猫は一日中、白い猫を探す様になった。
夜、黒い猫は屋根に登った。
月が優しく黒い猫を照らす。
まるで、なぐさめる様に。
黒い猫は月を見上げた。
あそこまで行けば白い猫も見えるかな?
黒い猫は屋根の一番高い所まで登って月にたずねる。
「そこから、白い猫は見える?」
月は答えない。
黒い猫は叫ぶ。
「ねぇ、お願いだよ!僕を白い猫に会わせて!!答えてよ!どうしたら会えるの?白い猫は何処にいるの?僕は白い猫と一緒じゃないとダメなんだ!!教えて!」
夜の静けさの中に、黒い猫の声だけが悲しく響く。
黒い猫の足元はいつの間にか濡れていた。
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