雪の降る夜に

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黒い猫は直感した。 何故だか分からないがそこに白い猫がいると思った。 黒い猫は走る。 毎日 探していたから、足は痛く、体は重かった。途中 何度も転んだが、今まで 出したことがないくらいのスピードで走った。 そこに白い猫はいた。家の中、多分子供の部屋である窓際にいた。 黒い猫は息切れのしたまま、白い猫に話しかける。 窓は閉まっていた。白い猫は動かない。 黒い猫は閉まっている窓をひっかく。 やっと会えた。 黒い猫は何度も何度も窓をひっかく。片方の爪は割れ、血がにじみだした。 はやく、はやく、傍に行きたい。 もうすでに片方の爪はとれてしまった。それでもひっかくことを止めない。 窓がやっと開いた。
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