雪の降る夜に

7/15

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
黒い猫は白い猫に駆け寄る。 黒い猫はこの時はじめて白い猫に触れた。真っ白い純粋な白を抱き締めた。 これからは、僕がずっと傍にいる。 僕が守る。 黒い猫の姿は雨に濡れ泥まみれで血がつき、ボロボロだった。 黒い猫は幸せだった。 ちょうど部屋の扉が開くまでは。 「キャー!!お父さん!汚い猫が部屋にいる!殺してぇ!」 女の子のカン高い声が家に響く。 黒い猫は白い猫を連れて逃げようとした。 しかし、すでに体力は尽き、素早く動くことは出来ない。 黒い猫は父親に捕まえられた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加