雪の降る夜に

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黒い猫は太い棒で叩かれ、外に蹴り出された。黒い猫は痛みに耐えながら白い猫の無事を祈った。 「お父さん。この白い猫の『人形』、あの猫のせいでよごれて汚いから、もぅいらない。」 白い猫は投げ棄てられた。 黒い猫は動かない体を必死に動かし白い猫の下敷きになる。 大丈夫?怪我してない? 黒い猫は白い猫の無事を確認するとゆっくりと歩きだした。後ろ足が折れているのか、はいつくばった格好で進む。白い猫を背中に乗せて。 いつの間にか雪が降り出していた。
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