夢に向かって

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「・・・」 「あらあら、彩ちゃん。恐い顔ねぇ」 無言でテーブルの上で頬杖を付いていたボクに、葉子さんが笑いながら紅茶を持ってやってきた。 「そうだぞ。もうちょっと楽しそうにしろよ」 「いえいえ、楽しいですよ?まさかあの誠クンとお茶が飲めるなんて夢にも思ってなかったもんだから、もう感動の極みだわぁ♪」 今度は満面の笑みを浮かべて言ってやる。 ・・・あ、目がピクピクしてやんの。 「誠君、彩ちゃんを探しにずっとここ通ってたのよぉ。彩ちゃんの知り合いだって知ってれば、もっと早く辞めたの教えてあげたのにね」 「い、いえっ!葉子さんは悪くないですっ!!別にこいつ目当てじゃないですから!!」 いきなり背筋を伸ばし、葉子さんに向かって赤面で話す誠。 ・・・確かにボク目当てじゃなさそうだねぇ。
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