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「な、何言ってるの・・・?だって父さんは病弱な人で・・・」 「病弱?あなたこそ、何言ってるのよ・・・。まさか・・・、覚えていない訳?」 ボクの言葉に、母さんは驚きを隠せない顔でこっちを見た。 そしてみるみる内に、鬼のような形相に変わっていく・・・。 「覚えていない筈ないでしょ!アンタあの時6歳よ!?しらばっくれるんじゃないわよっ!!」 「っ!!」 母さんは男の人を突き飛ばし、凄い勢いで両手でボクの首を締め出した。 「・・・ぁ・・・う・・・っ!」 苦しい・・・! 自由になった両手で必死に母さんの手を引き離そうとしてみても、力が入らない・・・! 「お、おい。そんなにしたら本気で死んじまうぞ?」 「お前が・・・お前が殺したんだ・・・っ!あの人を・・・雅樹をっ!!」 男の人が止めるのも聞かず、母さんはボクに向かって話し続ける。
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