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事情徴収と言う事で、ボクも警察へと連れて行かれた。
当然、ボクは無関係なのですぐに帰る事を許されたけど。
佐川は事件の現場となったM市のスナックの経営者だったらしい。
スナックと言っても名ばかりで、風俗店となんら変わりなかったみたいだけど。
新型のドラッグの売人も勤めていたようで、家出した娘を見つけてはその薬の実験台としていたみたいだ。
さっきボクにしようとしたみたいに・・・。
その佐川の愛人で、家出娘を店へと連れて来る役目だったのが母さんだった。
主犯の2人が捕まり、ドラッグの入手経路もいずれ解ることだろう。
「彩」
警察署を出ると、入り口の前でスーツを着た男性に声をかけられる。
「あ・・・、伯父さん!」
目の前にいたのは、伯父の雅司さんだった。
「知らせを聞いて、待ってたんだよ。もうそろそろ取り調べも終わるんじゃないかって思って」
「ボクの為にわざわざ?すいません・・・」
「いいって。お前に何かあったら、ウチの馬鹿息子に何言われるか解らないからな!」
伯父さんはそう言うと優しい顔で笑いかけてくれた。
流石、兄ちゃんのお父さんなだけあって、笑顔がよく似ている。
その笑顔のおかげで、ボクも自然に笑顔を作る事が出来た。
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