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「べ、別に何も・・・」
「こいつには何も関係ねぇだろ!2度と近づくな!!」
凄い剣幕で睨み付けられ、記者はそのまま逃げるように去って行く。
「大丈夫か!?彩!」
記者が完全にいなくなったのを確認した後、ボクに駆け寄って来たのは・・・。
「和真・・・、どうして?」
「今さっき、ニュース見て・・・、携帯かけても繋がらねぇし、嫌な予感がして飛んで来たんだよ。
やっぱり、あれお前の・・・」
和真は少し息を切らせながら、言葉の途中で口を噤んだ。
「とにかくここにはいねぇ方がいいな・・・、家に来いよ。瑛哉も遼も心配して・・・」
バシッ
そう言いながら伸ばされた手を、ボクは思い切り叩き落とした。
「何で・・・何で来たの!?」
「何でって・・・」
「別に来てくれなくたって大丈夫だったもん!
ボクは・・・、ボクは一人でだってやっていけるんだからっ!!」
あんな記者の一言に少しでも動揺してしまった自分を情けなく感じ、思わず和真に怒りをぶつけた。
自分のした事に、後悔はない筈なのに。
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