決意

8/12
前へ
/276ページ
次へ
バンッ! 「っ!!」 突然、左の頬に強い痛みが走る。 和真に平手打ちされたようだった。 「馬鹿っ!どんだけ心配したと思ってんだよっ!! 俺は・・・、俺はなぁ・・・!!」 言葉に詰まった和真は、いきなり近づいてボクを抱き締めてくる。 「!か、和真・・・?」 「心配したんだよ・・・、本当に・・・っ!」 「・・・!」 その瞬間、自分の中の壁が一気に崩れていくのを感じた。 「・・・くっ・・・ひっく・・・」 ようやく手に入れた安堵によって、今まで閉じ込めていた感情が溢れ出し、涙が流れ出した。 「怖かったよぉ・・・!」 和真は黙ったまま、ボクの頭を優しく撫でてくれる。 涙が枯れるまで、和真にしがみついて泣き続けた。
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

108人が本棚に入れています
本棚に追加