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バンッ!
「っ!!」
突然、左の頬に強い痛みが走る。
和真に平手打ちされたようだった。
「馬鹿っ!どんだけ心配したと思ってんだよっ!!
俺は・・・、俺はなぁ・・・!!」
言葉に詰まった和真は、いきなり近づいてボクを抱き締めてくる。
「!か、和真・・・?」
「心配したんだよ・・・、本当に・・・っ!」
「・・・!」
その瞬間、自分の中の壁が一気に崩れていくのを感じた。
「・・・くっ・・・ひっく・・・」
ようやく手に入れた安堵によって、今まで閉じ込めていた感情が溢れ出し、涙が流れ出した。
「怖かったよぉ・・・!」
和真は黙ったまま、ボクの頭を優しく撫でてくれる。
涙が枯れるまで、和真にしがみついて泣き続けた。
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