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「・・・彩!彩!!大丈夫っ!?」
アパートに入るなり、瑛哉がボクに飛び付いて来た。
「目真っ赤だよ!?誰かに虐められた!?」
「瑛哉・・・」
「大丈夫だから、ちょっと落ち着けよ・・・」
和真が呆れながら、今にも泣き出しそうな瑛哉の頭を掴んでボクから引き離す。
「だって俺も彩が心配だったんだもん!なのに和真が1人で勝手に飛び出してっちゃうしさ!」
「だ、だったお前も一緒に来れば良かっただろうが!!」
「ほらほら、2人共。そんな玄関先で騒がない」
居間の入り口から、遼が笑いながら顔を出した。
「少し帰りが遅かったから心配してたんだ。大変だったね・・・、彩」
「遼・・・」
皆で居間に移動して、ようやく一息つけたような気がした。
3人の心遣いが、少しくすぐったかったけど、素直に嬉しい。
「それで。彩は、これからどうするつもりなの?」
「あ、うん・・・」
瑛哉にいれてもらった紅茶のマグカップをテーブルに置いて、皆の顔を見た。
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