Schneewittchen

夢に向かって

「それにしても、CD多いねぇ。・・・へぇ～、アンジェラスって結構枚数出してたんだ？」

「インディースも合わせればね、メジャーではベスト盤入れてアルバムは3枚しか出してないよ」

「そうなんだ？言われてみれば、2年くらいしか活動してなかったもんね。あ、ヒューベリオン・・・。

って、あぁ～！？」

1枚のCDに目を止めて、遼が突然大声をあげた。

「こ、これ・・・。来週発売のヒューベリオンのニューアルバム！？何でもう持ってるの！？」

「え？・・・あ！」

やばい・・・、見つかった・・・。

「え、え～っと・・・。CD屋でバイトしてる友達がくれたの！店内用のサンプルだって！」

「そうなの！？俺・・・、上京したら絶対CD店でバイトする！！」

「あ、あはは・・・。そうだね、貰えるといいね・・・。良かったら聞いてもいいよ！」

「本当に！？有難う！！車の中で即聞くよ！！」

遼は興奮気味に言うと、大事そうに自分の鞄の中へとしまう。

ボクが何故来週発売のヒューベリオンのアルバムを既に持っているのか・・・、本当の理由は違うんだけど・・・。