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「おぉ~!なんか機材車って感じだね!」
外に出ると、目の前にワンボックスの車が止まっていた。
「東京までどれくらい?」
車の後ろのドアを開けていた和真に、荷物を渡しながら聞いてみる。
「下道で行って2時間半ってとこか?空いてればだけど」
「へぇ~、2時間以上も運転なんて大変だね」
「免許持ってねぇからなぁ、俺以外は・・・」
「はは・・・、東京行ったら必要ないと思ったからね」
遼が苦笑いをしながら荷物を積む。
免許いいなぁ、ボクも欲しい。
とは言っても、遼の言う通り、東京に行ったらあまり意味は無いかな?
3人でもう1往復だけして、ボクの荷物は全部積み終えた。
「おっ待たせ~!!」
後ろのドアを閉めた時、丁度瑛哉の元気な声が聞こえてきた。
両手いっぱいの花束を持って、こっちに向かって走ってくる。
「うわ!凄いねそれ!幹本さんから?」
「うん!綺麗でしょ~!!」
花束にほとんど顔を埋め尽くされながら、瑛哉は嬉しそうに言った。
幹本さんらしい贈り物だな。
今度は皆のアパートへ行き、3人の荷物を積む。
「これで終わり!」
瑛哉が最後の荷物を車の中に置くと、あんなに広かった車内がすっかり荷物で埋め尽くされていた。
「・・・じゃあ、彩。俺達はそろそろ行くよ」
「またね!彩!!」
「向こうで待ってるからな」
「うん・・・。気をつけてね、3人共」
車に乗り込んだ3人に笑顔で手を振り、見えなくなるまでその姿を追った。
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