夢に向かって

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「うわぁ~、これ可愛いなぁ!」 駅ビル内にあるアクセサリー売り場で、優菜がピアスを見ながら声をあげる。 「やっぱピアス開けちゃおうかなぁ?」 「えぇ、知らないよ?先生にバレたって・・・」 「平気だも~ん!ホクロだって言えば大丈夫!」 「ふ~ん・・・」 そんなもんで済んじゃう物なのかな? 検査で引っかかってる人、結構いるような気がするけど・・・。 ピアッサーの値段を見ている優菜の隣で、ボクもピアスの棚を眺めてみる。 「・・・ボクも開けようかな」 「えっ!?意外~!!どういう風の吹き回し?」 「別に、なんとなくだよ。ホクロでバれないんなら、開けてもいいかなって」 予想以上に驚いた優菜に、苦笑いして答えた。 そのまま優菜が手に持っていたピアッサーを取って、レジへと向かう。 「ボクが出してあげる。久々のデートの記念にね」 「やだ、キザー!じゃあお言葉に甘えて♪カラオケ行って開けようよ~!」 会計を済ませ、売り場を後にしながら優菜が目の前のカラオケ屋を指差す。 「何で穴開けるのにカラオケ行くの?」 「大声出したって解らないでしょ?それに、久々に彩の歌聞きたいな!・・・駄目?」 少し遠慮がちな上目遣い。 ピアス開けるのに、そんな大声をあげるものなのだろうか? 「・・・解ったよ。今日は優菜の我侭聞いてあげましょう」 「やったぁ!行こう★」 急に元気になった優菜はボクの腕を掴むと、早歩きで近くのカラオケへ向かいだす。 まったく現金なんだから・・・。
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