夢に向かって

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「んじゃ、いくよ~・・・」 部屋に入り、早速優菜の耳にピアッサーを当てた。 うぅ・・・、緊張して手が震える。 これは一気に・・・。 ガシャッ 「んっ!」 「だ、大丈夫!?痛くなかった?」 「・・・全然。もっと痛いと思ってた」 ピアスが通った耳を触り、優菜は呆気に取られたような顔で言う。 そんなもんなの? 「ほ、本当?ならいいんだけど・・・」 「じゃあ次、彩ね。動かないでよ~・・・」 ガシャッ 優菜はもう1つのピアッサーをボクの耳に当てると、一気に押した。 「いったぁ!!」 鋭い痛みが耳を一気に突き抜ける。 「え?痛かった?」 「痛かった・・・」 熱を持ち始めた耳を抑え、少し放心状態で答える。 痛く無いって言ってたのに、嘘つき・・・。 「さぁ~って!開ける物は開けたし!彩、先に唄って!」 「はいはい・・・」 リモコンで番号を送信しながら、空いている方の手で優菜からマイクを受け取る。 やがて流れ出した曲に合わせて、終わりの時間が来るまでひたすら歌い続けた。
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