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「それで・・・、一体何の用?まさかまたノアに戻って来いなんて言うんじゃないでしょうね?」
「もうそんな気はねぇよ。どうせギター兼ボーカルでどうだって言ったって帰ってこないだろ?」
「勿論。そんなどっちつかずは嫌いだし」
「あっそ・・・」
ちょっとつまらなそうに紅茶を飲む誠。
やっぱ多少期待してたんじゃん。
「っつ~か、お前。何で左手用のギターなんか使ってんだよ?」
「さぁ?始めた頃はあれが普通だと思ってたから」
いきなりの質問に、素で首を傾げてみせる。
「始めた頃って?」
「7歳」
「・・・小学生かよ。どうりで・・・」
「上手いと思った?」
ボクの答えに若干ヘこみ気味な誠に、少し誇らしげに聞いてみた。
「あぁ、思ったよ・・・。お前等のライブ見た時、急に実力の差を見せつけられたような気がした」
急に真面目な顔になって、テーブルに視線を落とす。
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