夢に向かって

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「・・・初めて来た時から、此処はずっと変わらないよね」 店内をゆっくり見回しながら呟く。 扉を開けるといつも店中に煙草の煙が充満していて、その先にはマスターがいて・・・。 いつ来ても何も変わらない。 だから落ち着くのかな・・・。 「なんだよ、急に」 「なんとなく、そう思ってみただけ」 そのまま椅子から立ち上がって、まっすぐ出口へと向かう。 「帰るのか?何しに来たんだよ」 「理由も無く来ちゃ駄目なの?」 「駄目。営業妨害」 営業らしい営業してないじゃん。 本当はもうちょっとゆっくりしたいんだけど、あまり長くいると別れが辛いから・・・。 「ねぇ、マスター・・・」 「ん?」 「いや、何でも無い。じゃあね!」 慌ててマスターに手を振って、そのまま足早に家へと戻った。 ・・・今までありがとう、マスター。
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