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早くなんとかしないと……
「あら? 燕ちゃん居たの?」
「うぃ? あー、ママ。何を持ってるの??」
…………遅かったか……
全ての写真を集め終えた杏樹さんは、僕に抱き付いている燕を見るなり近寄ってくる。
燕はと言うと、杏樹さんが近寄ってきても僕から離れようとせず、それどころか、更に体をくっ付けてくる。
その度に、おっきなマシュマロさんが僕の顔を埋め尽くす。
逃げようにも、僕より体の大きな燕からは逃げることも出来ない。
「は~な~し~て~っ!?」
そんな僕を知ってか知らずか……燕は、僕をほったらかし、杏樹さんが持っている物に興味津々の様子。
「これ? ふふっ、『レア物』よ♪ 燕ちゃんも見たい?」
「何なに~? 見たーい!!」
「じゃーん♪ 奏ちゃんのメイド姿の写真よ~!! しかも、着替えをしてる写真付きっ!!」
声高らかにそう言った後、数枚の写真を燕が見えるように広げながら前に出す。
「っ!!? どうしたのコレっ!? レア中のレアだよー!!」
僕は、大きな2つのマシュマロに潰されて見えないが、燕の反応からしてさっき僕がばら蒔いた写真だろう。
あれは、燕ですら持っていない筈だからな。
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