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「あー、あーあーあー」
気のせいかと思い、試しに発声練習をしてみるが、やっぱり変わらない。
そして、次に気付いたのが制服。
僕が入学した『明桜総合学園』の男子生徒の制服は、淡く薄い緑色のブレザーに、一年生は白、二年生は紅、三年生は緑色のネクタイが特徴的な制服。
勿論、昨日入学したばかりの僕は白のネクタイを付け、淡く薄い緑色のブレザーを着ている……筈なのだが──
今着ているのは、淡く薄い緑色のブレザーではなく、純白のウエディングドレスみたいな、真っ白でワンピースにも見える制服だった。
「これって……女子の、制服……?」
これには、流石の僕も驚きを隠せなかった。
確かに、僕は背も低く童顔で声も高い。更に『深那木 奏(ミナギ カナデ)』という、女の子みたいな名前のせいでよく女の子と間違われたりもする。
だけど、自分から進んで女の子の格好なんて絶対しない。寧ろ、嫌っていたりもする。
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