prologue

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小さい頃から親や幼馴染みや親友やら親戚とかが、それはもう数え切れないほど僕に女の子の洋服を着せ替え人形の如く、次から次へと持ってきては着せていた。 抵抗はするものの力が弱く、最終的にはいつも力強くで着せられたりもした。 とまあ、苦い思い出はさて置いて…… これは正真正銘、明桜総合学園の女子生徒の制服。真っ白なドレス型の制服に、胸元にある真紅のリボン。 因みに、女子のリボンも学年別に色分けされており、一年生は赤、二年生は蒼、三年生は緑となっている。 「はぁ、もう何が何だか……」 もう訳が分からず思わずため息が零れる。 歩いていた筈なのに道端に倒れているわ。頭がジンジンして痛いわ。極めつけは、女子の制服を身に纏っているわ…… しかも、肩に何かが吊り下がっているかと思うほど重いし、胸元に違和感があるような──って…………まてまてまて!? 今、男の子の僕にはあってはいけないモノが視界に入った気がする…… 「しっ、深呼吸を……」 取り敢えず落ち着こうと、深く息を吸い深呼吸を数回繰り返す。 程なくして──完全では無いものの──平常心を取り戻すことは出来た。
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