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変な感覚に危うく流されそうになったが、その一線だけは越えてはいけないと心に言い聞かせなんとか踏み止まることが出来た。
「あのまま流されてたら人として最悪だよな……」
やった後で何だが……自分の体なのに、とてつもない罪悪感が生まれた気がした。
「誰も居ない、よね?」
今のが誰かに見られていないか心配になり辺りを見回す。幸い、桜の木々が僕達を取り囲むように植えられていたので、誰か通りかかっても見えない──ってまて……
「今、僕……『僕達』って思ったよね? 『達』って、一体──」
『誰の事?』と口に出そうとした時だった。僕の直ぐ隣から『すぅすぅ』と、とても気持ち良さそうな寝息が聞こえてきたのは。
「〇ε#Ё*※っ!?」
あまりの驚きに自分でも何て言っているか分からない言葉が出る。
それはそうだ……だって今までずっと一人だと思っていたのに、直ぐ隣に誰かいる。
寝ているから良いものの、もし起きていたらと思うと最悪じゃ済まなかっただろう……
「落ち着け……落ち着くんだ僕っ!」
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