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「あら、おかえりなさ……誰その娘!?」 玄関の扉を開いた途端、やたらテンションの高い声が響いた。 声の主はレベッカおばさん。 僕の父の姉に当たる人だ。 父がこんな状態になってからは、住み込みで父の世話をしてくれている。 「この娘は……拾ったんです。」 「拾った!?拾ったって、炭坑の中で!?」 「はい。実は……」 僕は炭坑で起きたことを簡単に話した。 僕がこの女を殺そうとしたことは黙っておいたけど。 「そうなの…… あ、クリームシチュー食べる?今日のは自信作よ!」 ……全く驚いていないらしい。 本当にこの人は器が大きいというか、小さいことを気にしない。 父の時もこんな感じの反応だった。 「あー、とりあえずこれをどうにかしたいんですけど。」 そう言うと、僕は手元の女に視線を落とした。 「そうねぇ、私のベッドに寝かせてきたら?」 「そうします。」 僕はおばさんのベッドがある部屋の扉を開けた。 そして、ベッドの上に抱えていた女を降ろした。 部屋を出ようと踵を返した時、おばさんの高い声が聞こえた。 「あ、それと! 私のタンスの中に服があるから適当に着せてあげて!! その娘、いつまでも裸じゃ可哀想よ!!」      
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