バーボン

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その日酒(ボトル)に刻まれた 真夜中の階段を 僕たち二人はちどりあしで 降りて行った 「優しさに甘えているだけじゃ ただのひとりよがりね」 彼女が言った...そして 「いい加減にわたし あなたを自由に してあげなくちゃ 」 とつけ加えた 彼女の らしくない言葉(セリフ)も 僕は僕なりに聞こえる 「あなたが遊べば あなたの彼もきっと どこかで遊ぶだろう 今夜はお帰り いずれまた 別の機会に誘うから」 二人の前に ジャックダニエルの 空になったボトルが立っていた その色と同じ 黒いあの女(ひと)の瞳が まばたきをひとつして それから僕の方を見て言った 「あら知らなかった 女の味方(プレイボーイ)を いつ廃業したの?」 彼女の憎らしい仕返しが 僕のお気に入りだから..... あともう一杯 酒(バーボン)を 注(つ)ぎたくなるのです
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