🍸ちょっと酔い話🍸

ウィスキーコーク

なんとなくつられて なんとなく酔って そしてなんとなく陽が沈むのです。

夕焼けを背にして 僕たち二人は 砂の上に並んで座っていた。手にしたウィスキーコークが空になる頃には もうすっかり辺りは暗く一緒にきたあの女のことなど すっかり忘れてしまった。
｢もう帰るわよ｣
の声に振り向くまでに いいことがひとつあった。
｢今日はありがとう。とても楽しかったわ。｣
彼女が言った。
僕は黙ったまま 手のひらの砂の落ちるところを見つめていた。
しばらくして 僕は彼女のほうを見ると 甘える様な声で低く言った。
潮風が彼女の髪をなぜた。
｢さよならは 愛してる男(ひと)に 愛された女が言う文句(セリフ)だぜ。あんたは綺麗だ。もう少しで愛するとこまでいきそうなんだけどなぁ。｣