それは突然

2/19
前へ
/144ページ
次へ
カツン…と誰もいない廊下に音が響く。   「…ったく。」   一人の少年…俺がその廊下を降り終えて、愚痴を吐く。   「こんな時間まで練習なんて…やってらんねーよ」   俺の名前は、「稲葉直輝」   ごくごく普通の中学生…   「早く帰って東方地霊殿しよ… あれのノーマルクリアできないんだよな…」   という訳でもなく、物凄い東方オタクなのを除けば、ごくごく普通の中学生だ。   そして、この日はいつもより部活が長引き、帰路についている所だ。   「あ~…幻想入りしてぇ…」   ぼやいてもしょうがない事は分かっているが、それでも口に出てしまう。   「んっ?だけど現代入りってのもいいな。 幻想郷から来た女の子を家に泊まらせてあげるっていうのも悪くない…」   そこで、俺はどんな子が幻想入りしてきて欲しいか思考した。   「やっぱり、どうせ来るなら『うどんげ』がいいな!可愛いし! ウサミミサイコー!」   何故、俺がこうやって大声で叫んで恥ずかしくないのかというと…   今日は、我が『卓球部』が一番長引いた部活なので校内にはもうほとんど人がいないからだ。
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!

891人が本棚に入れています
本棚に追加