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その瞬間、口の中にフワァと匂いが広がった。
「これはですね、ダージリンというんですよ。インド原産ですけど、このダージリンは家の庭で採れたものなんですよ。」と落ち着いた声で優しく言った。
「そうなんですか~」と気がない返事をしてしまった。
何故なら、あまりの美味しさに、俺は五感の中の味覚だけを働かしていたので、説明そっちのけでズゥーズゥー飲んでいたのだ。
しかしそんな俺を怒る訳でもなく、おかわりをしても、微笑みながら注いでくれた。
味を堪能し終わり、ティーポットが空になったぐらいに、
「そういえば、まだ自己紹介してなかったですね。私の名前は、沢谷薫です。この、コスモスの郷の郷長です。よろしく。」
「あっ、こちらこそお願いします。俺の名前は三国信悟と言います。これからお世話になります。」
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