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「お待たせしました。今日は日差しが暖いので、テラスで飲みましょうか。」
そう言うと、木製のトレーの上に置いてある、カップとティーポットを器用に運びながら、菜の花や菫が映る大きな窓を、よいしょっ。という掛け声と共に開けた。
開けると風がスウーと入ってきて、それと一緒に紅茶の香りが俺の鼻の鼻孔の中をくすぐる。
そして、テラスに出るとそこには白くて、少し小さいテーブルと椅子が置いてあった。
そのテーブルの上に、トレーを置き、綺麗な花柄のカップ二つに紅茶をティーポットでゆっくりと交互に注いだ。
あまりにもゆっくりと交互に注ぐので、俺は痺れを切らして、
「何で、紅茶を交互にカップに注ぐんですか?」と聞いた。
「交互にやる事で、味の濃さを均等にするんですよ。また、ゆっくり注ぐ事で味が出やすくなるですよ。」と俺をなだめるかの様に、微笑みながら答えた。
それから少し経ち、
「はい、できました。どうぞ飲んでみて下さい。」
俺は「有り難うございます。」と礼をいい、一口飲んでみた。
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