プロローグ

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              「はぁっ…はぁ……」         途切れ途切れの息遣いで腹から血を流している男が、追っ手から逃れる為に路地裏に隠れる。       腕には鉛玉を撃ち込まれたような跡が数ヶ所ある。         その男は携帯のようなものを出し、耳に当てがった。             「ギンガか………?」       『はいはいこんにちは。 こんなに遅くに連絡しないで下さいよ奥さん。』         ギンガと呼ばれた男がそう冗談を言うと、電話を掛けた男がフッと笑った。           「多分…俺はもう駄目だ………アイツを頼む」         『えっちょ、せんぱ』           プッとギンガが言い切る前に電話を切った男はいつの間にか消えていた。           その場に残ったのは、真っ黒な血溜まりだけだった。            
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