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M君には2つ上のお姉さんがいて、お姉さんは元々病弱だったけれどそれに屈せずに勉強や部活を頑張っていました。   お姉さんが高校2年の時に急性白血病を患い、闘病生活が始まりました。   お姉さんは退院したらまた学校に行きたい、みんなに会いたい!という気持ちで辛い闘病生活でも決して弱音は吐きませんでした。   でも、元が病弱な上に急性の病気は進行が早い。 体が若ければ若いほど…     夏も後少しで終わると言う時期に、お姉さんはとうとう昏睡状態に陥ってしまいました。   医者がこの状態が続くのなら安楽死を、と家族に勧めましたがM君もM君の両親もそれを拒否しました。 ここまでお姉さんは頑張ったんだ、最期まで戦い抜いて欲しかったとの思いから…     真夜中になり状態はますます悪化していき、もうダメかと思ったらM君のお母さんがいきなり 「そういえばこういう話しを聞いた事があるの。昔から夜中に死んだ人間は周りが暗くて道が見えないから冥土に行けないって言うんだって…N(お姉さん)もそうなっちゃうのかしらね…」   それを聞いたM君が、お姉さんの呼吸が途切れそうになるとお姉さんの手を握り 「姉ちゃん!まだ寝るな!姉ちゃん!寝ちゃダメだぞ!」とお姉さんを励まし続けました。   その度にお姉さんは思い出した様に呼吸を取り戻していたそうです。 昏睡状態の中でもお姉さんにはM君の声が聞こえていたのでしょう…     医者は、お姉さんはこの夜を越えられないと言っていましたが、お姉さんは朝日が差して来る頃に静かに息を引き取りました。   M君は泣きながらお姉さんに 「姉ちゃん、よく頑張ったな。これで迷子になる事はないぞ!」と…     火葬の日にM君のお母さんはお姉さんの為にと貯金していた結婚資金で白無垢を購入し、棺の中に一緒に入れてあげたそうです。     ‘この子は死んだのではなく、二度と帰れない所にお嫁に出したと思っておくの。 白無垢は娘にとって1番高くて1番最後親がしてあげられるプレゼントだから。 空の向こうで幸せになりなさいね’と…  
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