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まだ私が学生の時にポメラニアンでチビという名前の犬を飼っていました。
とても狂暴で、甘えん坊の犬でした。
いつも母と寝て、昼間は父の仕事部屋でお昼寝。
家族が喧嘩したり、私が叱られると必ず膝のうえにのり、涙をなめてくれました。
いつもは母と寝ているのに、そんな日は必ず私のそばで寝てくれました。
いて当たり前だった。
そんなちびも10歳になった頃、心臓病になってしまい、胸をついて寝るのも痛くて、発作があるとおしっこをもらしながらいたがっていました。
家族はチビが死んでしまう事を受け入れられずにいました。
医者にも明日を迎えられるか分からないといわれてから、私たち家族のそばから離れずずっと生きていました。
発作に耐えながら。
一ヵ月ぐらいたった夜。
チビは大好きな母の枕元に座って、涙をポロポロながしながら、父と私の顔を見ていました。
その姿に私は泣きながら
「もう、頑張らなくてもいいから。ありがとう」
と言うと、ヨタヨタ歩いてチビは父、私の顔を舐めにきました。
その後胸をついて寝る事ができなかったのに、母の枕元で、元気だった頃みたいにいびきをかいて寝はじめした。
そのまま目をあける事はありませんでした。
犬は飼い主が頑張れというと頑張ってしまうらしいのです。
だからチビは辛いのに、頑張ってくれました。ごめんね。
たくさんの優しさありがとう。
今も実家には母の枕元、父の仕事部屋にチビの写真が飾られています
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