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《60年後……》
暖かい日差しが柔らかく降り注ぐ縁側で、揺れ椅子に揺られてまどろむおばぁさんが居た。
「おばぁーちゃん!もぅすぐお昼ご飯ですからねー」
「はぃはぃわかりましたよ」
孫娘の呼びかけに応えるとまた、ゆっくりと目を閉じた。
麗也が居なくなったあの日から美奈子は毎日が辛かった。心の底から会いたくて会いたくて……
でも…会えなくて………
しかし、美奈子は麗也が必ず迎えに来ると信じ、麗也との約束を守り幸せな家族と幸せに歳をとった。
「……こ…………なこ…………美奈子」
「ん……?麗也かい?」
「うん。迎えに来たよ…美奈子」
美奈子はあの日と全く変わらない麗也に手を取られ、スーっと椅子から立ち上がった。
物凄く体が軽い………
麗也は自分の胸に飛び込んできた美奈子をグッと引き寄せるとキツく抱きしめた。
「麗也、会いたかったよ………会いたかった」
「…俺も会いたかった…。美奈子…………」
二人は抱き合いながら空へと昇って行った。
「ねぇ麗也、アタシ麗也に話したい事がいっぱぃあるの。何から話そっかなぁー」
~End~
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