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わたしが
寝静まる頃
決まって彼は
ベランダあたりに現れます、
冷えきった窓をあけると
彼は手招きするので
わたしは
ベランダに足をかけて
彼の手をとって
空を歩いてゆきます
「なんだか今日も
寂しいことばかりだったよ」
と
わたしが云うと
彼はただ 相槌をうちます
月を横切って
先日こしらえた、
惑星秘密基地へと到着します
そこには
星の瓦礫で作った
小さな小屋があって
中にはいると
ベタが宙を舞っています
幾つものキャンドルが
灯っていて
わたしは
ふわふわの椅子に座り
彼も窓際に腰掛けます
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