誓いのキス

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「矢崎さん!」 突然 現実に引き戻されて目を開いた。 振り向くと会社の後輩や同僚が 大勢来ていた。 「おめでとうございます!」 「ありがとう。」 「タキシードも似合いますね~!」 「そうか?」 「冗談ですよ!」 「お前ら!」 僕は後輩を 軽く殴るポーズを作った。 その様子にみんなで笑ったり、 もっとやれー!と野次ったり している。 僕は笑って ヘッドロックをかけながらも 鈴は式場に来ているだろうかと 不安がよぎっていた。 来てくれる確率は かなり低いと思う。 きっと僕は今日 花嫁に逃げられた花婿として 来てくれたすべての人に 謝るのだろう。
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