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少女の名前は『倉橋芽莉菜ーークラハシ メリナーー』といった。
持っていた古いメモ帳にそれと年齢だけが書かれていた。
本当なのかどうかは知らないが、とにかくこれを信じるしか道はなかった。
芽莉菜はベッドの上で、肩の上辺りまで伸びている青い髪にクシを入れた。
この髪は芽莉菜が“アイツ”に拾われた時からの自然な色で、決して染めたわけではない。
なぜか脱色して染め直そうとしても色は落ちず、重ね塗りもできなかった。
小さな顔の上には綺麗にその部品が並べられている。
瞳は黒く大きいが、芯の通った鋭い眼をしている。
鼻はキュッと小さく形がよい。
口も同じように小さく、唇は潤っていた。
身長は平均的だが、その体はスラリと天へ伸び上がるように美しい。
水色のパジャマを脱ぐと柔らかでしなやかな肢体があらわになる。
雪のように白い肌が朝の日差しを浴び、その美しさをいっそう引き立たせる。
胸の膨らみはちょうど平均並。
それを肌と同じような白さの下着で隠していた。
「芽莉菜~!ごはん出来たよ、ごはん!」
と、下から声がしたため、芽莉菜は急いでセーラー服の制服に着替え、はしごをつたって階下へと下りていった。
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