第二夜 彼の秘め事

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「ごめんなさいっ、待たせちゃって」 「大丈夫だよ、気にしないで?さ、朝食をとって学校へ行かないと」 「‥ありがとうッ!」 私はやっぱりリンは優しい人だと理解した。 微笑んだ時の顔なんかは優しい人なんだな、って理解出来る。 だけど‥ 「ねぇ、リン‥」 「なんだい?」 「私制服似合ってない?だからそんなに見るの?」 リンは目を丸くして食べていたパンを、ポロリと落とした。 すると急に笑い出した 「あははっ‥違うよ、本当君は鈍感だ」 そう笑われてムスッとしているとリンは笑うのを止めて、私を見つめる。 「君が可愛いから見ちゃったんだよ、学校に行ったら大人気になるだろうね」 そう言ったリンの顔が、凄く悲しげで私も切なくなった。
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