君が私を忘れても…

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「そこら辺で止めといたら。ってか、お前等の方こそどっか行ったら。それとも、俺が痛い目にあわせてやろうか?」 「速水にやられるなんてごめんだね!!まぁ、いつでもさとみをイジメる事はできるし。お前等行くよ!!」 「そういうこと。あいつら解ってんじゃん。で、あいつらまた、お前の事イジメようとしてたんだ。それにしても、お前はよくイジメられるな」 「仁には関係ないでしょ。あたし教室に戻るから」 そう言って私は屋上の階段を降り、教室へと戻った。 ー仁sideー 何だよ。 せっかく助けてやったのに…。 俺が助けなきゃまたイジメられてたじゃん。 何だよあいつ。 全っ然かわいくねぇし。 ーさとみsideー また可愛くないことしちゃった…。 せっかく助けてくれたのに…。 どうしていつもこうなんだろう。 明日、ちゃんと言わなくちゃ。 『ありがとう』って。 ー翌朝ー 「さとみ、おはよー」 「朋華、おはよー。仁来てるかな?」 「来てるよ。どうかしたの?」 「昨日ちょっとね」 「さては、ケンカかな」 「那津、何言ってんの!?」 「図星でしょ」 那津と朋華は、私の良き理解者であり、良き親友。 2人と朝の会話が終わった所で、仁の方へと向かった。 相変わらず眠そうで、一人で席にいて、ボーっとどこかを見ている。 「仁、おはよ」 「さとみじゃん。おはよ」 「昨日はありがとう。ついムキになっちゃって…ごめんね。それから、仁の好きなクッキー焼いてきたんだけど、よかったら食べてよ」 「昨日のことなら気にしなくてもいいのに。じゃあ、さっそく食べちゃお」 「別に構わないけど、マズかったらゴメンネ」 そう言って、仁がクッキーを食べるのを見ていた。 一瞬、仁が「うっ!!」って言うから思わず、 「仁、もしかしてマズい?」 「いや、逆。マジでウメェよ。あとは家で食べるよ。ありがとう」 私は内心、良かったと思ってホッとした。 「それにしても、よく俺がお菓子好きな事覚えてたな。それに、料理上手くなったんじゃね?」 「あたり前でしょ。これでも女だし。それから、何年幼なじみやってると思ってるわけ。もう17年だよ。そう言う仁だって、この頃カッコ良くなってんじゃん。昔と変わったよね」 .
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