君が私を忘れても…

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「マジで!?俺カッコ良くなったか?もしかしてお前、俺にホレた?」 「バカなこと言わないでよ。ただの幼なじみじゃん。調子にのるな(笑)」 ー仁sideー ただの幼なじみか…。 俺は昔からさとみのことが好きなのに…。 まだ脈はなし…か。 ーさとみsideー 仁のことは好きだけど、学校一イケメンの仁と私とじゃ、絶対につりあわないに決まってるじゃん。 仁は学校一というほどカッコ良くて、イケメンだ。 学校の文化祭で開かれたイケメンコンテストで1位になったくらいだ。 そんな仁と私がつりあうわけがない。 こんな私じゃダメなんだよ…。 しばらくの間沈黙が続いた。 私が話しかけようとしたが、仁の方が先に口を開いた。 「なーさとみ。明日休みだからさ、遊びに行かねぇ?遊園地…とかさ」 「えっ?いいけど、突然どうしたの?」 「いや、このクッキーのお礼だよ。じゃあ、明日の10時にいつもの駅でな」 「うん。明日の10時にいつもの駅ね」 ーさとみsideー 仁から誘ってくれるなんて久しぶりじゃん。 明日は頑張って、仁が喜んでくれるようにオシャレしてかなきゃ。 楽しみだな!! ー仁sideー 明日はさとみにちゃんと言わなきゃ。 『ずっと好きだった。付き合ってくれ』って。 ー翌日ー 仁はさとみより早く駅に着いた。 ー仁sideー まだ15分前か…。 早く来すぎたな。 まぁいいや。 そのうち来るだろうし。 ところが、約束の10時を過ぎてもさとみは来なかった。 「あいつ遅いな。もう30分になるぜ。何やってんだよ」 あまりに遅いので、携帯に電話をしようとした時、さとみが息を切らせて走ってきた。 「仁…ごめん。遅くなっちゃった…」 「お…遅すぎだよバカ。早く行くぞ」 「バカって言わないでよ。仁の隣が似合うようにって頑張ったんだから!!まぁいいか。行こう」 さとみがそんなことを言うのは初めてだった。 嬉しかったのか、仁の顔が赤くなっている。 まぁ赤くなるのも無理はない。 今日のさとみは一段とかわいかった。 学校ではいつも制服しか見ていないし、幼なじみだからといっても、今までこんなにカワイくオシャレしたさとみは見たことがなかった。 .
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