君が私を忘れても…

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仁は顔を赤らめながらも、さとみと一緒に遊園地へと向かった。 遊園地に着いてから2人はチケットを買い、敷地内へと入った。 2人はコーヒーカップを始め、様々なアトラクションに乗った。 「仁、今度はあれに乗ろうよ。ジェットコースター」 「えー。あれかよ。俺苦手なんだけど…」 「大丈夫だって!!あたしも苦手だけど、仁が一緒なら平気な気がするんだ」 俺とさとみは絶叫マシーンが苦手だ…。 中でも一番苦手なのがジェットコースター。 でも、さとみの言葉で俺も少し怖くなくなった。 ジェットコースターから降りた時はフラフラだったけど、楽しかった。 そしてお昼は、遊園地内の売店で食べた。 閉園の時間が近づいてきたので、最後に観覧車に乗った。 「仁、今日はすごく楽しかった。ありがとう」 「どういたしまして。俺もすごく楽しかったよ。なぁ、さとみ、遊園地でたらさ、もう一ヶ所寄ってっていい?話したいこともあるし」 「いいけど、どこ行くの?」 「まぁ、それは秘密」 そう言った仁の後ろをついて行くと…。 そこは、昔から2人で遊んでいた公園。 高台の公園で、夕方になると夕日がキレイで、まるで絵に描いたみたいになる。 ーさとみsideー 仁はここで何を話すのかな? それからしばらくして、仁が口を開いた。 「なぁさとみ、俺、前からさとみに言おうとしてたことがあんだけど…」 「何?改まってどうしたの?」 「あの…。俺…さ、お前のことが前から好きだったんだ。…だから、俺と付き合ってくれないか」 緊張しながら仁が言った。 その言葉を聞いた私の目からは、自然と涙が頬を伝っていた。 その様子に気づいた仁は、慌てだした。 「さとみ、どうしたんだよ?俺、やっぱり言わない方がよかったか?嫌なら何も言わなくていいから」 「ううん。違うの。嫌じゃないよ。ただ…嬉しくて。あたしも仁のこと好きだけど、かっこいい仁に比べれば、あたしはかわいくないし…」 私は首を横に振りながら、そして泣きながら答えた。 そんなことを言った私に、仁が抱きしめながら言った。 .
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