蒼穹を駆ける勇気の士魂

2/4
59人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
戦いの匂いが漂う、それが戦場。 そんな戦場に、激しく金属同士がぶつかり合う音がする。 金属、武器と武器が相手の身体を蹂躙するべく牙を剥いていた。 朱い髪の毛に碧い瞳の青年が、相対している長い黒髪に銀瞳の男に叫ぶ。 「何故だ? 何故俺を目の敵にする? 【エルトリウム】!?」 朱と蒼を基調とした十字剣を振るいながら、敵に問い詰める。 「『真魔王』のお前らが、わざわざ時間を割いてまでやる事が、俺への攻撃かぁ!?」 「黙れよ、癇に触る奴だな」 エルトリウムはチッと舌打ちをしながら、蔑むように口を開く。 「お前が“如き成り上がり”風情が“あの御方”から大切な任務を授かるだと? これが許せるか!」 戦いの理由は縄張り争いといった処か。 「くうっ、BRAVE SOUL……弓を!」 《了解です、マイロード。 トランス、チェンジアローフォーム!》 十字剣から弓の姿を採る。 多元型戦術支援式魔宝兵装 蒼穹駆ける勇気の士魂。 BRAVE SOUL~シオンの持つ武具の中で最高の物だ。 様々な武器へと姿形を変えて、AIによる戦術支援を行い、マルチプルカードシステムで機能の一時的な拡張も可能な武器。 また物品の出し入れも可能で、登録さえすれば防具も瞬時に装着出来る。 まるで、十徳ナンチャラな武器だった。 .
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!