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クリスマス。
本来は、キリストの誕生を祝うための日。
しかし異国である此処、木ノ葉の里では、恋人や家族と時間を共に過ごす日となっている。
そんな今日、仕事に追われ、そうもいかないカップルがいた。
陽が傾き、段々と肌寒くなると同時に、薄暗くなっていく。
「ね、先生、今日はゆっくり過ごしましょうね!」
さっきからそう言いながらベタベタくっついてくる銀髪の上忍―――はたけカカシ―――に対しイルカは大きく溜め息をついた。
本当、申し訳ない。
「カカシ先生…ごめんなさい。今日はちょっと…」
イルカが軽くカカシを引きはがしながら謝ると、カカシは、驚愕した様子で眼を見開いていた。
「ホントにスイマセン!夜は生徒の家にプレゼントを届けなくてはならなくて、今から、その準備を…」
「…」
無言のカカシに焦ったイルカは慌てて言葉を付け足す。
「あっ、で、でも!今から急いで準備をしますから、その後食事行きませんかっ?」
「…だう」
「?」
「俺、手伝います」
「…え?」
てっきり、駄々をこねられると思っていたイルカは素っ頓狂な声を発してしまった。
「だから、俺もプレゼント配るの手伝いますよ。」
そう言って、カカシはイルカの手を両手で握りグッと握る。
「い…いやいや!それは悪いですよ。」
ぶんぶんと首を横に振ってカカシの申し出を断るが、全く聞いちゃいない。
「上忍がいたほうが作業スピードも上がるデショ?」
「そりゃそうですけど…」
「じゃあ、決まりですね!」
そう言うと、カカシは、さあ行きましょう!とイルカの手を引っ張る。
「どこで準備するんですかっ?」
「えっ…あー…実験準備室です」
「それじゃ、行きましょう!」
カカシはボンッと音を立てながら瞬身の術でイルカをあっという間に実験準備室に連れていってしまった。
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