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実験準備室には、段ボールがいくつか積んであり、『プレ』や『フクロ』と書いてある。
カカシはそれらの段ボールを開け、それぞれ中を見て言った。
「この段ボールにあるプレゼントを、その段ボールの中の袋に詰めればいいんですね?」
「はい。…手伝ってもらっちゃってスイマセン。」
イルカは、ペコリと頭を下げカカシに謝った。
「俺がやりたくてやってることですし、頭上げてくださいよ。」
ね?、とイルカの頭を撫でる。
イルカは何だか恥ずかしくなり、顔をほんのり赤く染め、ありがとうございます、と感謝を述べた。
「さ、イルカ先生!始めましょうか!」
「はい!」
2人とも腕まくりをし、段ボール箱の前に陣取る。
段ボール箱は全部で6箱あり、4箱はプレゼントのための玩具のクナイ、残り2箱が包装用の袋になっている。
3箱ずつに分け、1つ1つ袋の中に入れていく。
とても地味な作業だが、集中すれば一人でも3時間あれば余裕に終わる作業だ。
「アカデミーの先生って、こういうこともやるんですネェ。」
「そうですよ。まあ、外勤が多いカカシ先生と比べたらラクな仕事でしょう?」
そうイルカが苦笑いで答えると、カカシも眼を弓なりにしてお互い様ですよ、と笑った。
それから2人は黙々と作業を続け、終わる頃には陽がもっと傾き、沈み、すっかり暗くなっていた。
「やっと終わりましたね」
「はい、おかげで1人で準備するよりも早く終わりました…ありがとうございました。」
「いえいえ。さ、飯でも食いに行きましょうか。」
そうして2人は実験準備室を後にし、すぐ隣にある階段を昇り、イルカは職員室にいる同僚に「包装終わったから、飯いってくる」と告げて再びカカシと共に夕飯へと出発した。
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