Twinkling Night

3/10
前へ
/10ページ
次へ
実験準備室には、段ボールがいくつか積んであり、『プレ』や『フクロ』と書いてある。 カカシはそれらの段ボールを開け、それぞれ中を見て言った。 「この段ボールにあるプレゼントを、その段ボールの中の袋に詰めればいいんですね?」 「はい。…手伝ってもらっちゃってスイマセン。」 イルカは、ペコリと頭を下げカカシに謝った。 「俺がやりたくてやってることですし、頭上げてくださいよ。」 ね?、とイルカの頭を撫でる。 イルカは何だか恥ずかしくなり、顔をほんのり赤く染め、ありがとうございます、と感謝を述べた。 「さ、イルカ先生!始めましょうか!」 「はい!」 2人とも腕まくりをし、段ボール箱の前に陣取る。 段ボール箱は全部で6箱あり、4箱はプレゼントのための玩具のクナイ、残り2箱が包装用の袋になっている。 3箱ずつに分け、1つ1つ袋の中に入れていく。 とても地味な作業だが、集中すれば一人でも3時間あれば余裕に終わる作業だ。 「アカデミーの先生って、こういうこともやるんですネェ。」 「そうですよ。まあ、外勤が多いカカシ先生と比べたらラクな仕事でしょう?」 そうイルカが苦笑いで答えると、カカシも眼を弓なりにしてお互い様ですよ、と笑った。 それから2人は黙々と作業を続け、終わる頃には陽がもっと傾き、沈み、すっかり暗くなっていた。 「やっと終わりましたね」 「はい、おかげで1人で準備するよりも早く終わりました…ありがとうございました。」 「いえいえ。さ、飯でも食いに行きましょうか。」 そうして2人は実験準備室を後にし、すぐ隣にある階段を昇り、イルカは職員室にいる同僚に「包装終わったから、飯いってくる」と告げて再びカカシと共に夕飯へと出発した。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加