Twinkling Night

4/10
前へ
/10ページ
次へ
冷たい風が静かに吹き、今まで暖かかった空気に冬の寒さを思い出させる。 「暖かいと思ったらいきなり寒くなりましたね。う゛ーさぶっ」 「こういう日は鍋とか食べたいですよネ。」 「あぁ!鍋いいですね!カカシさん、鍋にしましょうよ!」 「ええ、勿論良いですよ。鍋でしたら、俺、好きな店があるのでそこにしませんか?」 カカシがそう言うと、イルカは、意外だ!という顔をしている。 「意外ですか?」 「あっ、いえ。そういうわけでは…」 「ま、別に構いやしませんよ。…さ、行きましょう。」 カカシはイルカの手を引き歩き出した。 「その店って何て言う店なんですか?」 「“鈴蘭”ですヨ。俺、これでも常連なんです。」 「なっ…!?」 鈴蘭――何の変哲もない名前だが、全国に名前を馳せている高級料亭である。 イルカの給料では、とても常連、と言えるまで通うことができないのは言うまでもない。やはり、上忍。侮れない。 「そんな高級な店…いいんですか?」 申し訳ないと言っているような顔をしたイルカを見て、カカシは大丈夫ですヨ、と言う。 そうは言ったが、イルカは未だ申し訳なさそうな顔をしている。 でも、もう手を引いて歩いているから後戻りは出来るわけもないし、したくもない。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加